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俺、doubletの人だ

 
 

By Mizuki Hosokawa

公開日:2026年9月8日

去年まで、自分はdoubletを買う側だった。
今年は、作る側にいる。

今でもたまに、

「自分ってこの前まで大好きで買ってたよな? 今、何してるんだろ?」

って思うことがある。

今回、初めてひとりで工場さんへ出張に行かせてもらった。

行ったのは、

ミルクリエイトさん。
ハングルースさん。
タナベ刺繍さん。

3つの工場さん。

楽しみだった。

でも、もちろん不安もあった。

普段は電話やメールで話している人たちに、初めてひとりで会いに行く。

工場ってどんな場所なんだろう。
何を話したらいいんだろう。
加工のことも、まだ知らないことだらけ。

ドキドキとワクワクが半分ずつくらいの気持ちで出発した。

 

ミルクリエイト

最初に伺ったのは、ミルクリエイトさん。

自分が想像していた「工場」とは全然違っていた。

言葉にするなら、ラフな感じ?

ミルクリエイトの東さんをはじめ、皆さんとお話をさせていただいた。

普段は電話やメールでのやり取りが多いので、実際に会って話していると、

「あ、人間なんだ」

って思った。

もちろん当たり前なんだけど。

自分がdoubletに入社した経緯だったり、仕事の話だったり、世間話だったり。

いろんな話をしていることが、なんだかちょっと不思議な感覚だった。

その中で一番印象に残っているのが、東さんが言っていた言葉。

「いやー、今回も大変でしたね。。」

「でも、デザインが来た時ワクワクしますし、やってて楽しいです。」

これがdoubletの全てなのかなって思った。

職出しをして、工場さんにお願いして、完成して上がってきた製品を見る。

今までの自分には、その間にあることが、分かりたくても分からなかった。

でも実際に話を聞いてみて、

doubletが作りたい「おもしろいもの」は、本当にみんなで作っているんだと思った。

井野さんがいつも言っている、

「自分たちも工場さんも、みんな同じ目線」

という言葉が、初めて自分の中で繋がった気がした。

まず思ったのは、

本当にありがとうございます。

だった。


ハングルース

次は、初めて行く加工屋さん。

地図で調べながら、

「こんな山の奥に本当にあるのかな?」

と思った。

ハングルースの山本さんとは、今まで携帯の中でしか会ったことがない。

ちょっと不安。
加工のことなんてほぼ無知。
どうしよう。。😢

そんな感じで向かった。

でも、会ってみたら、

やっぱり人間だった。。。

不安だったのは最初だけ。

なぜか分からないけど、

山本さんと話していて、

「肩の荷が下りるって、本当にこういうことなのかな」

と思うくらい、ありのままの自分で話すことができた。

現場は逆に、僕が想像していた加工場そのまま。

だからこそ、もっと好奇心が湧いた。

加工から上がってきたものは見ていたけど、

実際に加工しているところを見るのは初めて。

「あ、こうやってできてるんだ」

と、ひとつひとつ納得していった。

その日、自分が着ていたのもdoubletTシャツだった。

山本さんがそれを見て、

「これ蛍光染料を使ってるね。これが入っていると加工の幅が狭まるんだよね」

と教えてくれた。

そこから、

「もっとこうするのはどう?」

「これもいけるんじゃない?」

「これは井野さんも知らないんじゃないかな?」

と、どんどん新しい提案をしてくれた。

現場が暑かったからなのか。

いや、たぶん違う。

山本さんのdoubletへの熱意が、ものすごく熱く感じた。

新しい提案。
=おもしろい。
doublet

自分がもっと加工を理解できれば、

doubletの表現の幅は何倍にも広がるんじゃないかと思った。

井野さんが、

「こういうものを作りたい!」 と言った時に、

自分から 「こういうのはどうですか?」 と言えるようになりたい。

……ん?

新しい提案?

あ、俺、doubletのためにめっちゃ考えてるじゃん。

俺、doubletの人だ。

改めて自覚と熱意を感じた、

ハングルースさんでの時間だった。


タナベ刺繍

doubletといえば。

自分の中で、

一番行ってみたい。
一番行かないと。

と思っていた場所。

個人的な興味もあるし、

doubletのために行かなきゃ、という使命感もあった。

工場に着いて最初に思ったのは、

すごく綺麗。

そして広い。

今までの工場とはまた違う、現代っぽさを感じる場所だった。

タナベ刺繍の中石さんとは展示会や事務所で何度かお会いしたことがあったので、

勝手ながら駅に着いた時から、少し地元に帰ってきたような感覚があった。

工場では、過去のdoubletの刺繍もたくさん見せていただいた。

doubletさんのためにスケジュールをなんとか、なんとか、頑張ってみます!」

と言ってくださったり、 

井野さん、石見さんも以前行ったことのあるうどん屋さんに連れていっていただいたり。

なんか、

なんだろう。。

今まで自分には、doubletの「今」しか見えていなかった。

でもここに来て、

少しだけ過去のdoubletも見えた気がした。

中石さん、めぐみさんとお話をさせていただいて、

その中でも一番伝わってきたのは、

「楽しい」

という気持ちだった。

終始、暖かい気持ちだった。

刺繍でこれからどんな表現ができるんだろう。

ワクワクしてたまらない。

無限大だと思う。

これから作るものはもちろん、

今までにあったデザインも、もっと多くの人に知ってもらいたい。

自分たちと同じ若い世代にも。
自分の親くらいの世代の人たちにも。

doublet=刺繍

じゃなくて、

「刺繍=doubletだよね?」

って世の中の人が思うくらい、

広げていきたい。


3つの工場を回って 

場所も違う。
やっていることも違う。
働いている人も違う。

でも全部の工場さんに共通していたものがあった。

doubletへの熱量。

今は少しずつ、

その一着ができるまでにいる人たちの顔や、手や、言葉が見えるようになってきた。

doubletを支えてくださっている人たちのことも、

その人たちがどんな気持ちでものを作ってくれているのかも、

もっともっと世の中に発信していきたいと思った。

工場から帰ってきて、

doubletの商品を見る目が、少し変わった。

一着の服を見ると、

前よりも、そこにいる人たちの顔が浮かぶ。

そしてたまにまた、思う。

この前まで、

俺、買う側だったよな。

今、

作る側にいるんだな。